一回忌 月明り

月影のいたらぬ里はなけれども ながむる人の心にぞすむ』法然上人

 敵 を 愛し、 自分 を 迫害 する 者 の ため に 祈り なさい。 45 あなた がた の 天 の 父 の 子 と なる ため で ある。父 は 悪人 にも 善人 にも 太陽 を 昇ら せ、 正しい 者 にも 正しく ない 者 にも 雨 を 降らせ て くださるからである 。 マタイ福音5.46


 父の一回忌に法然の歌を聞いた。そして聖書の言葉を思い出す。


 晩年父は何を思っていたのだろう。父の思いはわからない。仏の月明りは父の生涯を照らしたのだろうか。父は家族で少年時代過ごしていたというその当時の思いを母も聞けなかったという、もう聞くこともかなわない。


つながれた命を、受取り、後悔のないよう生きようと僧侶の話を聞きながら、聖句を思い出した。なにかが法然の言葉と聖書の言葉この二つは

違う。 

 私はキリスト教の洗礼を受け、そに事実は知らせたがキリスト教の内容を父と話すことなく終わった。その違いは主の存在の有無と言ってし

まえばあまりにも陳腐である。

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 言葉にならない言葉を思いめぐらす、太陽と雨、月明りを浴びた一日だった。