井枝尼 理出亜 海辺の工場で

井枝尼 理出亜 海辺の工場で

一年ぶりに海辺の工場に派遣される

桜が咲き始める時期いつもこの海岸沿いの工場に派遣される

一年ぶりに会う顔、始めての顔、

しかし、この会社の役員は代変わることがない。

 密かに連絡を取り続ける労働組合の若手役員は、かわらないのは、ほっとする

若狭豪太、工場労働者ばかりか、港湾労働者の若手を束ねている

 角刈りで屈強の肉体を持明朗豪快な男

 大熊さんっていいよな告白する前に、小橋に取られてしまったよ、井枝尼 

 どっちも労働裁判で最高裁まで会社相手に闘い抜いたり、両親の元で育った奴らだもんな。

 大熊さんさ、若手の先生や保育士を束ねて、一方的もひかない、あのあのたばこをすう様がたまらないんだよな

 まあ豪ちゃん、気合負けしてたよね、小橋くんは、建設労働者をまとめてる、一見やさの理論家だけど、鋭利で底力がある

神見殺しの夫婦とはよくいったもだわ。

 神殺しと言えばがとね教徒なのに俺たちより社科学に詳しくて、官公労連労連の若手のリーダーだった岩本徹っていたな

 穏和で知的で優しくて大熊も惚れかけたよな

俺たちのリーダーにしようと思ったけど弾圧受けて戦線離脱した

 それに比べてここの工場長で市会議員をしてる吉満もカトリックだけどあいつの方が筋金入りの資本家で敵ながらあっぱれだよな
 
 同じカトリックでもえらい違いだよな

 私は海を見るふりをして火照る顔を見られないようにした。

 吉満‥あの人はなに?神を私は殺せないの?なぜなら私に触れようとするの?

 私は、井枝尼 理出亜
 私はとこにでもって現れる

 工場に学校に裁判に、組合に、ゲームの世界に、

神と資本と不条理を壊すために